得意と苦手を知る:発達障害でも“生きやすく”なる工夫 第3回:周りの声もヒントに。家族や友人に聞いてみよう

自分を知る

📘【連載シリーズ:得意と苦手を知る:発達障害でも“生きやすく”なる工夫】

発達障害のある方が「自分らしく働く」ための工夫を、4回にわたってお届けする実践シリーズです。

第1回:私って何が得意?何が苦手?発達障害と自己理解の話
第2回:書くだけで見えてくる!自分の得意・苦手を整理する方法
第3回:周りの声もヒントに。家族や友人に聞いてみよう ←今ココ
第4回:得意と苦手を伝える力。信頼関係を築く自己開示の技術


前回の記事では、「自分の得意・苦手を紙に書き出す」ことで、自己理解を深める方法をご紹介しました。今回は、さらにその理解を深めるステップとして「他者の声をヒントにする」ことについてお話しします。

自己評価と他者評価のズレに気づく

発達障害のある人は、自己評価が極端になりやすい傾向があります。

自信過剰になってしまうこともあれば、逆に自分を過小評価してしまうこともあります。そのどちらも、実際の自分とのズレを生んでしまいます。

だからこそ、周りの信頼できる人の目線を取り入れることが大切です。

「私の得意なこと・苦手なことって何だと思う?」と聞いてみよう

オススメなのは、気を使わず本音で話してくれる人にストレートに聞いてみることです。例えばこんなふうに。

「私の得意なことと苦手なことって、何だと思う?」

あらかじめ自分で書き出したリストがある人は、それを見せながら「私はこう思ってるんだけど、どうかな?」と聞いてみても良いでしょう。

思わぬ発見があることも

自分では当たり前すぎて気づかなかった長所を他人が教えてくれることもあります。

逆に、「これは得意!」と思っていたことが実は周囲にとってはそうでもなかった…という発見もあるかもしれません。

どちらにせよ、それは“客観的な自分像”に近づく大きなヒントになります。

私の場合:自己理解が深まったきっかけ

私自身、高校生の時に不登校になった経験があります。精神科を受診し、いくつかの病院を経て、今の主治医と出会いました。

WAIS-IIIやロールシャッハテストを通して、当時の自分の発達特性を理解できたことは、今でも大きな財産です。

また、親に紹介されたNPO団体のワークキャンプに参加したことも、自己理解に大きく影響しました。

そこでは社会に馴染めなかった人や、かつて引きこもりだった人、大学生ボランティアなど、さまざまな立場の若者と関わることができました。

その中で、「自分はなぜ学校に行けなくなったのか」「今どんな気持ちか」「これからどうしていきたいのか」を徹底的に言語化する時間がありました。

他者との対話を通じて、自分自身をより深く知ることができたのです。

他人の意見を受け入れる心構え

もちろん、時には耳が痛い意見もあるかもしれません。

でも、それを真摯に受け止めてこそ、成長につながります。

「そんなふうに見えてたんだな」と受け止めることができれば、他者との認識のズレを修正するきっかけになります。

まとめ

  • 自分の得意・苦手は他人に聞いてみることで見えてくることもある
  • 自己評価と他者評価のギャップを知ることが、真の自己理解への一歩
  • 信頼できる人から率直な意見をもらおう
  • 批判ではなく“新たな気づき”として受け止めよう

次回予告:得意と苦手を伝える力。信頼関係を築く自己開示の技術

次回は、自分の得意・苦手を周囲に伝える「自己開示」について、失敗しないコツをお話ししていきます。


📘【連載シリーズ:得意と苦手を知る:発達障害でも“生きやすく”なる工夫】

発達障害のある方が「自分らしく働く」ための工夫を、4回にわたってお届けする実践シリーズです。

第1回:私って何が得意?何が苦手?発達障害と自己理解の話
第2回:書くだけで見えてくる!自分の得意・苦手を整理する方法
第3回:周りの声もヒントに。家族や友人に聞いてみよう ←今ココ
第4回:得意と苦手を伝える力。信頼関係を築く自己開示の技術


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