メンタルが沈んで起きられなかった朝。
「今日は休みたい」と伝えた私に、スタッフが真剣に語りかけてくれた言葉は、今も私の行動の土台になっています。
「このままずっと逃げるクセがついちゃうよ?」
ワークキャンプ中盤の朝。私は布団から起き上がれずにいました。
疲れがたまっていたのか、気持ちが落ち込んでいたのか、自分でもよくわかりませんでしたが、
とにかく体も心も「無理」と訴えているような感覚でした。
「今日は休みたい」
そう思ってスタッフさんにそう伝えたら、こんな風に返ってきました。

今、頑張れなかったら、このままずっと逃げるクセがつくよ。本当にそれでいいの?
言われた瞬間は、責められているわけではないのに、胸がチクリと痛みました。
スタッフさんは、当時高校生の私に対して、とても真剣に、こう続けました。

今は“無理”って感じてるかもしれないけど、あなたなら動けると思う。
とりあえずやってみて。
もしやっぱり無理だったら、そのときは戻ってきて休めばいい。
みんないくらでもサポートするよ。
“最初からあきらめる”クセがつかないように、まず一歩だけ踏み出してみて。
出会って数日しか経っていない、不登校の女子高生に、ここまで真摯に対応してくれる大人がいるのかと、その時は衝撃を受けました。
甘やかすわけではない、でもただ厳しいとも違う。一人の人間として尊重してもらえて、最大限の力を発揮できるような支援が約束されている。
こんなに特殊で素晴らしい環境は他にありません。
こんな素敵な大人が側でサポートしてくれるなら、ほんの少し頑張ってみたくなりました。
「騙されたと思ってやってみよう」と思えたのです。
無理に見えたことも、「やってみたら案外できた」
重い身体を引きずるように布団から出て、みんなのいる場所へ行ってみました。
すると不思議と、少しずつ気持ちが切り替わっていきました。
最初の一歩さえ踏み出せば、あとは案外、自然に動ける。
この日は、ちゃんと活動をこなすことができました。
「無理なときは、無理でいい」だけど、「最初の一歩」は、挑戦してみてもいい
もちろん、本当に限界のときは休むべきです。
でも今回のように、「なんとなく無理かも」というときでも、誰かの言葉や少しのきっかけで、前に進めることがある。
この経験を通して、「まず一歩踏み出してみる」ことの大切さを知りました。
あのときかけてもらった言葉が、今も支えになっている

最初の一歩が重たいだけ。動いてみたら案外、大したことないよ。
この言葉は、今でも私の中に残っています。
迷ったとき、不安になったとき、新しいことを始めるとき——
私はこの経験を思い出して、自分の背中をそっと押すようにしています。
次回予告
第5回:「距離感」と「信頼」のバランスを知った
あの場所のように、本音を出せる環境は、現実にはそう多くありません。
だからこそ私は、「どこまで話すか」「どうつながるか」を意識しながら、自分にとって大切な人間関係を育てるようになりました。
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