私を変えた一週間 ―対話と自己理解の記録― 第4回:「今日は無理かも」からの一歩

自分を知る・活かす

▶ シリーズ:私を変えた一週間 ―対話と自己理解の記録―

不登校、引きこもり、迷いの中にいた私が、一週間のキャンプで得た“変化のきっかけ”を綴ります。

メンタルが沈んで起きられなかった朝。

「今日は休みたい」と伝えた私に、スタッフが真剣に語りかけてくれた言葉は、今も私の行動の土台になっています。

「このままずっと逃げるクセがついちゃうよ?」

ワークキャンプ中盤の朝。私は布団から起き上がれずにいました。

疲れがたまっていたのか、気持ちが落ち込んでいたのか、自分でもよくわかりませんでしたが、
とにかく体も心も「無理」と訴えているような感覚でした。

「今日は休みたい」

そう思ってスタッフさんにそう伝えたら、こんな風に返ってきました。

スタッフ
スタッフ

今、頑張れなかったら、このままずっと逃げるクセがつくよ。本当にそれでいいの?

言われた瞬間は、責められているわけではないのに、胸がチクリと痛みました。

スタッフさんは、当時高校生の私に対して、とても真剣に、こう続けました。

スタッフ
スタッフ

今は“無理”って感じてるかもしれないけど、あなたなら動けると思う。

とりあえずやってみて。

もしやっぱり無理だったら、そのときは戻ってきて休めばいい。

みんないくらでもサポートするよ。

“最初からあきらめる”クセがつかないように、まず一歩だけ踏み出してみて。

出会って数日しか経っていない、不登校の女子高生に、ここまで真摯に対応してくれる大人がいるのかと、その時は衝撃を受けました。

甘やかすわけではない、でもただ厳しいとも違う。一人の人間として尊重してもらえて、最大限の力を発揮できるような支援が約束されている。

こんなに特殊で素晴らしい環境は他にありません。

こんな素敵な大人が側でサポートしてくれるなら、ほんの少し頑張ってみたくなりました。

「騙されたと思ってやってみよう」と思えたのです。

無理に見えたことも、「やってみたら案外できた」

重い身体を引きずるように布団から出て、みんなのいる場所へ行ってみました。

すると不思議と、少しずつ気持ちが切り替わっていきました。

最初の一歩さえ踏み出せば、あとは案外、自然に動ける。

この日は、ちゃんと活動をこなすことができました。

「無理なときは、無理でいい」だけど、「最初の一歩」は、挑戦してみてもいい

もちろん、本当に限界のときは休むべきです。

でも今回のように、「なんとなく無理かも」というときでも、誰かの言葉や少しのきっかけで、前に進めることがある。

この経験を通して、「まず一歩踏み出してみる」ことの大切さを知りました。

あのときかけてもらった言葉が、今も支えになっている

スタッフ
スタッフ

最初の一歩が重たいだけ。動いてみたら案外、大したことないよ。

この言葉は、今でも私の中に残っています。

迷ったとき、不安になったとき、新しいことを始めるとき——

私はこの経験を思い出して、自分の背中をそっと押すようにしています。

次回予告

第5回:「距離感」と「信頼」のバランスを知った

あの場所のように、本音を出せる環境は、現実にはそう多くありません。

だからこそ私は、「どこまで話すか」「どうつながるか」を意識しながら、自分にとって大切な人間関係を育てるようになりました。


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