同じ職場、違う仕事。
それだけで、世界がまったく違って見えました。
“看護師を手放す”という決断は簡単ではなかったけれど、看護補助者として働きはじめた私は、ようやく「自分らしく働く」感覚を取り戻していきました。
「看護補助者」という新しい道
私は看護師としての勤務が難しくなった後、同じ病棟内で「看護補助者」として働くことになりました。
当時は正直なところ、「元看護師なのに補助?」「キャリアを後退させたような気がする」という葛藤もありました。
でも、実際に働いてみて思ったのは、
「仕事内容が自分に合っている」って、こんなに心がラクなんだ
ということでした。
向いていないのは、「仕事」じゃなくて「やり方」だったのかもしれない
看護補助者としての業務は、予測がつきやすく、マニュアル化されているものが多いです。
たとえば、
- 入浴の介助
- 検査の送迎
- 物品の洗浄・補充
- ナースコール対応(担当看護師が出られない時にできることは対応して、必要に応じて担当看護師に報告)
- 看護師に頼まれた業務(指示に基づいた行動が中心)
など、「自分の役割が明確で、決まった手順で動ける仕事」が中心でした。
しかも、急な指示や臨機応変な対応が求められる場面は、看護師よりずっと少ない。
もちろん責任の重さや判断の難しさも異なりますが、「自分でもできる」実感が持てる仕事だったのです。
褒められることで、自信が回復していった
仕事ができるようになると、自然と周囲の対応も変わっていきました。
「いつも先回りして動いてくれるから、助かってる」
「仕事をテキパキしてくれて、頼みやすいし、一緒に働きやすい」
そんな言葉をかけられる機会が少しずつ増えていき、「私って、役に立てるんだ」という感覚が戻ってきました。
不思議なことに、自分に合う仕事だと努力が“報われる”サイクルが回るんです。
- できることが増える
- 周りに感謝される
- もっと頑張ろうと思える
- 自信がつく
この好循環は、看護師時代にはほとんど感じられなかったものでした。
「職種を変える=逃げ」じゃなかった
看護師を辞めたことに、後悔がないわけではありません。
でも、あのまま無理を続けていたら、私はきっと今よりもっと「働くこと」が怖くなっていたと思います。
あのとき自分に必要だったのは、「耐えること」じゃなく「変える勇気」だったんです。
“合わない仕事”を手放すことは、恥ずかしいことじゃない。
むしろ、自分らしく働くための第一歩だった。
今ではそう、心から思えます。
次回予告
第5回:「もう一度看護師として働きたい」と思えた理由
やがて私は、補助者としての経験を重ねる中で、「もう一度、看護師として働いてみたい」と思えるようになりました。
自信とエネルギーを少しずつ取り戻した私が、再挑戦を決意するまでの道のりを綴ります。
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