「どうして私は生きづらいんだろう」
そんな問いを抱えていた引きこもりの私が、1週間のワークキャンプで本音を語り、対話を重ねることで、自分の特性や本当の思いに気づいていくまでのプロセスを、全6回でお届けします。
自己理解や対話のヒントを探している方に、きっと何かが届くはずです。
動けないまま、毎日が過ぎていった
高校生の頃、私は少しずつ学校に行けなくなりました。
最初は週に1日だけ休むようになり、それが2〜3回になって、気がついたら毎日行けなくなっていました。
当時、自分でも理由はよくわかりませんでした。
ただ、「起きられない」「行きたくない」と思う日が増えていき、気づいたら完全に引きこもりになっていました。
引きこもっていた頃の私は、「このままじゃダメだ」とは思っていました。でも、何をすればいいのかもわからない。
外に出る勇気も、誰かと関わる気力もなくて、毎日ただぼんやりと時間をやり過ごしていました。
そんなとき、母が差し出してくれた1枚のパンフレット
ある日、母が「こういうのあるけど、行ってみる?」と、1枚のパンフレットを私に見せてくれました。
それが、私の人生を大きく動かすことになる“ワークキャンプ”との出会いでした。
内容は、農場でのボランティア。
1週間、全国から集まった若者たちと共同生活を送りながら、作業したり話し合ったりするというもの。
運営団体のテーマは、「きっかけづくりのボランティア」でした。
興味と不安が入り混じった気持ちで申し込んだ
正直、不安もありました。見知らぬ人たちと過ごすなんて、ちゃんと会話できるかもわからない。
でも、パンフレットを見たとき、私は思ったんです。
「なんかちょっと面白そうかも」
昔から、“ちょっと変わったこと”に興味を惹かれるタイプだった私。
今のままじゃなにも変わらない。だったら、試してみよう——そう思えました。
集まったのは、30人の“何かを変えたい人たち”
そのワークキャンプには、全国から30人ほどの若者が参加していました。
年齢は10代から20代が中心。
不登校や引きこもりの経験がある人、大学生活に閉塞感を抱えている人、職場以外の人間関係に飢えてやってきた社会人など、背景はバラバラ。
でも、ひとつだけ共通していたのは、「今の自分を変えたい」「誰かとちゃんと向き合いたい」という思いを、どこかに抱えていたことです。
ワークキャンプのルールは、「本音で対話すること」
このキャンプで何よりも大切にされていたのは、「本音で対話すること」。
対話を通して、他人を知り、自分を知り、世界と繋がり直していく。
そんなテーマが、あちこちに散りばめられていました。
作業やイベントの合間には、毎日のように“誰かと1対1で話す時間”が設けられていて、まるで“対話のシャワー”を浴び続けるような一週間でした。
私の人生を変えた“一週間”が、始まった
私はそのキャンプで、自分でも想像していなかったほどの、濃くて、深くて、あたたかい時間を過ごすことになります。
「人って、こんなふうに話せるんだ」
「言葉にすると、こんなにも心が軽くなるんだ」
そんな気づきを、何度も何度も繰り返しました。
次回予告
第2回:全部話しても、いいのかもしれない
——「なぜ自分がこの場に来たのか」を語る自己紹介タイム。
私はその日、自分の人生について、初めて“全部話してみよう”と思いました。
📩 コメント・質問歓迎
記事の内容に関するご感想や、「こんなことが知りたい」というリクエストがあれば、ぜひお気軽にコメントしてくださいね。
コメント