働けない自分が、“働ける”に変わるまで 第2回:思ってたより、ずっと「できなかった」

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【シリーズ】働けない自分が、“働ける”に変わるまで(全7回)

「頑張っても仕事ができない」——そんな悩みを抱えていた私が、“働ける私”になるまでの7年間を、正直に綴りました。環境選びや工夫、自己開示、そして再挑戦まで。同じように悩む誰かのヒントになれば嬉しいです。

“向いてない仕事”を続けることの、しんどさ。

私はそれを、身をもって体験しました。

新卒で配属されたのは希望していた手術室——でも、現実は想像以上に厳しいものでした。


大学時代の「努力でなんとかなった」成功体験

大学生のときの私は、「努力すれば、向いてないことでも何とかなる」と信じていました。

実際、大学時代にやっていた派遣アルバイト(ホテルやブライダル関係)では、自分には向いていないと感じながらも、場数を踏むことで最低限の仕事はこなせるようになりました。

「特別に怒られない」「問題を起こさずに終えられる」というだけで、自信に繋がったのです。

その成功体験が、「苦手でも頑張れば乗り越えられる」という思い込みにつながっていました。

だからこそ、新卒で看護師として就職する時も、「看護師は向いてなさそうだけど、きっと努力すればどうにかなる」と思っていたんです。


手術室を希望した理由

私が新卒で配属されたのは、希望していた手術室でした。

希望していた理由は主に4つ。

  • 病棟と比較すると、患者さんとのコミュニケーションが少ないこと
  • 手術そのものに興味があったこと
  • 翌日に入る手術の勉強が前日にできること
  • 手術で使う器具や手術の流れがある程度マニュアル化されていて、事前に把握できること

病院実習(実習していた病院に就職)や就職活動のインターンで得た情報だけをもとに、「これなら自分でもやっていけるかもしれない」と思い、配属希望を出しました。


現実は想像以上だった

最初の数ヶ月は、予習して手術に臨む余裕がありました。

けれど、ある程度慣れてくると、状況は一変します。

「次、この手術に入ってきて」と突然言われ、急いで休憩中に勉強し直す。そんな日々が当たり前になりました。

しかも、手術には「正解」がありません。

同じ手術でも執刀医によってやり方や好みが全然違います。

それに、手術は「ナマモノ」です。

出血が多くなったり、予期しない状況が起こるのは日常茶飯事です。

そんな中で求められるのは、「臨機応変な対応」「瞬時の判断」「効率の良い行動」。

まさに、私が最も苦手とする要素ばかりでした。


病棟に異動しても、やっぱり苦しかった

手術室では限界を感じ、体調も崩して休職。

その後、病棟に異動しましたが、ここでも厳しい現実が待っていました。

病棟でも、効率よく情報を整理し、優先順位をつけて動くことが求められます。

また、突発的な患者対応、ナースコール、他職種との連携など、常にマルチタスク状態。

どんなに頑張っても、仕事が終わらず、周囲との能力差がどんどん明確になる日々。

「このまま続けるのは、無理かもしれない」と、やっと思えるようになりました。

私は「努力すればなんとかなる」という言葉を信じすぎて、無理を続けてしまっていました。

でも今は、「無理なことは、無理でいい」と言えるようになりました。


次回予告

ただ、その“無理”に気づいたときには、すでに心も体も限界を迎えていたのです——。

第3回:適応できない仕事で、自分が壊れていった

精神的に限界を迎え、「適応障害」と診断された私。

休職、異動、そして看護師を手放すまでの過程を、次回お話しします。


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