再び看護師として働くことを決めた私は、まず「無理をしない準備」から始めました。
がんばりすぎて潰れてしまった過去があるからこそ、復職前の段階で、上司に素直な気持ちを伝えることにしたのです。
「新人のつもりで育ててください」と、最初にお願いした
復職先の上司との初対面の場で、私は以下のようなことを伝えました。
- ブランクがあるので、新人同等の教育をしていただけると助かります
- スタッフへの共有は不要ですが、自分の苦手な状況について、あらかじめお伝えしておきたいです
- もう一度、新人として学ばせていただくつもりで、謙虚に真摯に取り組みます
過去に失敗した経験があるからこそ、今回はあらかじめハードルを下げて復帰したいと思っていました。
たとえば、私は以下のような状況が苦手です。
- 想定外のことが複数同時に起こる場面
- 優先順位を瞬時に判断しなければならない場面
- 指示が曖昧なまま動かなければいけない状況
こうした苦手を「できるふり」をして乗り越えようとした結果、過去には体調を崩してしまいました。
だからこそ今回は、あらかじめ伝えておくことが、自分を守る手段だと考えたのです。
スタッフへの共有は求めなかった理由
もちろん、同僚への情報共有を上司にお願いするという方法もあります。
けれど私は、それはやりすぎだと感じました。
実際に一緒に働くようになってから、必要なタイミングで、自分の言葉で、少しずつ伝えていけばいい。
そう思ったからです。
人それぞれ働き方も受け取り方も違うからこそ、最初から一方的に「こういう人です」と伝えられるよりも、現場での関わりを通して、自分の特性を知ってもらうほうが自然だと感じました。
苦手を隠さず、得意をうまく使う働き方へ
私は、臨機応変な対応や複数の作業を同時にこなすことが苦手です。
一方で、決められた手順のある業務をテキパキとこなすことや、あらかじめ予測できる仕事の中で先回りして動くことは得意です。
今回はその「得意」を活かしながら、「苦手」は最初から素直に伝えるという方針で、復職に臨むことにしました。
あらかじめ伝えておくことで、自分が安心して学べる土台がつくれると感じています。
これは決して「甘え」ではなく、自分の力を発揮しやすくするための準備であり、「今回は無理をしない」「長く働き続けたい」という思いからの選択です。
まだスタート地点。でも、無理はしないと決めている
今はまだ、働き始める前の段階です。
不安がゼロなわけではありません。
でも、今回は「がんばりすぎない」と決めています。
スタートラインに立つ前だからこそ、「無理なく働ける土台をつくる」ための準備が、何より大事だと思っています。
次回予告
第7回:“働ける私”は、こうしてつくられた
かつては「社会不適合者かもしれない」と思っていた私が、今では「働ける私」に近づいてきた感覚があります。
最終回では、7年間の紆余曲折を振り返りながら、「合わない環境を手放すこと」「やり方を変えること」の大切さを、読者に向けてお話しします。
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