「私って、社会不適合者なのかな」
そう思っていたあの頃の私が、今は「もう一度看護師として働きたい」と感じている。
ここまでたどり着くのに、7年かかりました。
この最終回では、私が“働ける私”になるまでの道のりを、あらためて振り返ります。
「向いてない仕事」から始まった7年間
新卒で看護師として配属されたのは、希望していた手術室。
でも、いざ働き始めてみると、臨機応変な対応や瞬時の判断、複数のタスクを同時に処理する力が求められる場面の連続でした。
どんなに頑張っても結果が出ず、ミスが続き、自分を責める気持ちが積み重なっていきました。
その後、心身のバランスを崩し、精神科で「適応障害」と診断。一度休職し、病棟に異動して復帰しましたが、状況は変わらず、再び体調を崩して——
ついには看護師という職を、いったん手放す決断をしました。
自分に合った仕事を選ぶ勇気
その後、私は同じ病院で看護補助者として働く道を選びました。
最初は「キャリアが後退したようで悔しい」と思うこともありました。
でも実際に働いてみると、決められた手順で動く仕事が多く、想定内の業務に集中できる環境は、私にとって非常に働きやすいものでした。
「私って、仕事ができないわけじゃなかったんだ」
そう思えるようになったのは、環境が変わったからです。
仕事のやり方に私を合わせるのではなく、私の特性に合う仕事のやり方を選ぶ。
それが、再び自信を持てるようになるきっかけになりました。
「また看護師に戻りたい」と思えた理由
補助者として働く中で、自分に合ったスタイルを確立できた私は、やがて「もう一度、看護師として働いてみたい」と思うようになりました。
今度は、忙しい急性期ではなく、落ち着いた環境を選ぶこと。
そして、ブランクがあることや自分の特性を最初に伝えたうえで、「無理のないペースで教えてほしい」とお願いすること。
そうやって、復帰に向けた準備を少しずつ整えてきました。
「今回は無理しない」
そう決めて臨んだ再挑戦は、まだスタート前ではありますが、今の私は、不安よりも前向きな気持ちのほうが強くなっています。
環境を変えることは「逃げ」じゃない
この7年間を振り返って思うのは、
「苦手なままでいい」「逃げてもいい」じゃなくて、「苦手を前提に、やり方を変えていい」ということです。
頑張ってもどうにもならないときは、努力をやめるのではなく、戦い方を変える。
合わない環境を手放すことは、甘えじゃありません。
むしろ、自分らしく生きるための、大事な選択肢のひとつです。
読者のあなたへ
ここまで読んでくださったあなたに、伝えたいことがあります。
あなたが「働けない自分」に苦しんでいるとしたら、それはあなたの努力が足りないからではありません。
ただ、あなたの特性と、いまの環境が合っていないだけかもしれません。
だから、自分を責める前に、まずは「変えられる部分はないか?」を探してみてほしいのです。
働き方を変えること。
伝え方を工夫すること。
得意を活かせる場所を見つけること。
それだけで、“働けない”が“働ける”に変わることもある。
私は、そうやって少しずつ変わってこられました。
シリーズを読んでくださったすべての方へ
このシリーズは、私自身の過去を振り返りながら、「自分の特性に合った働き方」を探すプロセスを記録したものです。
これが、同じように悩む誰かの「ヒント」や「安心」になれたなら、とても嬉しく思います。
これからも、私は無理をせず、工夫を続けながら働いていきます。
そして、同じように悩む人たちと、少しでも知恵や経験を共有できたらと思っています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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