「ASDは嫌われる天才」
最近よく、こんな言葉を見かけますが、ASD(自閉スペクトラム症)当事者としては、正直その通りだと思います。間違いなく、定型発達の人たちよりも嫌われやすいです。
もっと噛み砕くと、「意識して人と関わらないと嫌われやすい」です。
ASDの私は、昔から人との距離感がうまくつかめず、いつのまにか孤立したりするけど、「なぜ嫌われるのか分からない」と悩んできました。
今回はASDで対人関係に長年悩んできた私が、10年以上かけて好かれる人/嫌われやすい人の言動の違いを観察・実践した経験をもとに、まずは人に好かれる人の特徴をお伝えします。
ASDはなぜ「嫌われる天才」と言われるのか
ASD(自閉スペクトラム症)は、その発達特性ゆえに、社会生活で必要とされる“人間関係の暗黙ルール”に適応するのが難しいことがあります。
たとえば——
- 場の空気を読むのが苦手
- 他者視点を持つことや、相手の気持ちを想像することが難しい
- 自分の興味がない話題には関心を示せない
- 表情や感情表現が乏しい
こうした特徴は、決して「悪意」や「性格の悪さ」からくるものではありません。
しかし、相手からは「自己中心的」「感じが悪い」「性格がきつい」と受け取られてしまうことが少なくありません。
結果として、悪気がないのに人から距離を置かれたり、ハブられたりすることも多く、「ASDは嫌われる天才」と揶揄されるような場面も生まれます。
「好かれる人」ってどんな人?
ASDの特徴をおさらいしたところで、本題に入りましょう。あなたは「好かれる人」ってどういう人を想像しますか?
先に結論をお伝えします。
“相手に、「自分は大切にされている」と感じさせるふるまいができる人”です。
私にとって「好かれる人」と言われて私が思い出すのは、高校時代からの友人のことです。
彼女は、私にとって「人間関係のお手本」そのものです。
高校時代から、とにかく誰にでも好かれる人でした。人当たりが良くて、誰とでも自然に仲良くなれる。
今でも変わらず素敵な人で、尊敬の気持ちは変わりません。
息をするように「気遣い」ができる
彼女のすごさは、ただ「明るい」とか「フレンドリー」といった表面的なものではありません。
私が一緒にいて驚いたのは、“息をするように相手を大切にする”そのふるまいです。
たとえば——
- 会話中、絶対に話を遮らずに最後まで聞いてくれる
- 私が何か間違っていたら、きちんと優しく指摘してくれる
- その場の空気を読み取って、相手の欲していることを察してくれる
- いい席を譲る/ドアを開ける/道を譲るなどの“レディーファースト”的行動を、誰に対しても自然に行う
- さりげない気遣いがうまくて、「え、そんなとこまで気づくの?」と驚かされる
こんな行動を、当たり前のようにしていました。
何より印象的だったのは、「一緒にいると、気分がよくなる」という感覚。
彼女と一緒にいると、いつも「大切にされてるな」と感じられて、心がほっとするのです。
その経験は、人間関係に悩んでいた、ASDの私にとって衝撃的でした。
「こんなふうに人と接することができる人がいるんだ」「私も真似してみたい」と自然に思ったのです。
ASDの自分でも、人に好かれる言動は、真似できるのか?
結論。
「全部は真似できないけど、部分的に取り入れることはできる」です。
出会った当時は、彼女をひたすら真似ようとしましたが、すぐに疲れてしまうし、全然うまくできなくて落ち込みました。
今は、前向きに諦めて、“できる範囲で取り入れる”というやり方をしています。
人に好かれる言動で抑えるべきポイントはただ一つ。
「あなたのことを大切に思っていますよ」「あなたのことが好きですよ」「大事にしてますよ」が伝わるような言動です。
つまり、「求めるのではなく、相手に与える」といういわゆるギバー精神です。
別に、難しく考えなくてもいいんです。あなたは、何をされると「あぁ大切にされているな」と感じますか?されて嬉しかったことを思い出してみてください。
私が実践しているのは↓
- 相手の話を遮らずに最後まで聞く
- 「それは大変だったね」のように相手を労うコメントを添える(嘘は苦手なので、これは本心で思ったことだけ言うようにしています)
- 自分に余裕があるときは、周りの手伝いをしてみる
- 街を歩いていて困っていそうな人がいたら声をかけてみる(知らない人にも親切にできない人は、身近な人にも親切にできません。逆も然りですが)
- 挨拶を忘れない
- なにかしてもらったらお礼を言う、迷惑をかけたらちゃんと謝る
案外簡単でしょ?笑
別に全部やらなくてもいいし。できそうなことだけやっとけばOK!
好印象のヒントは、「自分が嬉しかった体験」の中にある
「人に好かれるふるまい」は、特別なテクニックではありません。
“相手に、自分が大切にされていると感じさせるふるまい”なんだと私は思っています。
そして、そのヒントは——案外、自分が「されて嬉しかった体験」の中にあるのかもしれません。
「されて嬉しかったこと」を思い出して、実践してみてください。
気づいたら、前よりも人に好かれるようになっているかもしれません。
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