ASDの特性は、無意識のうちに“嫌われやすい行動”と重なってしまうことがあります。
他者視点のなさ、興味の偏り、無表情、素直に受け止められない反応…。
人間関係がうまくいかない原因として、自分では気づきにくい“印象”のクセがあるのかもしれません
だからこそ私は意識して、「相手を理解しようとする練習」を続けてきました。
1. 「他者視点がない」と感じさせるふるまい
私がこれまでの対人関係で「この人、ちょっと苦手かも…」と感じた人には、いくつかの共通点がありました。
それは、相手の気持ちを想像しようとしない=他者視点がないふるまいです。
たとえば、こんな場面に心当たりはありませんか?
- 人の話を聞かず、自分の話ばかりをしたがる
- 相手が困っていても手伝おうとしない
- 困っている人を見ても、見て見ぬふりを平気でする
- 注意されたときに、「でも」「だって」と言い訳で返す
- 自己評価が高すぎて、「できていない」と指摘されても認められない
- 「自分はこれだけ頑張ってる」という主張だけが強い
これらの行動には、「私はあなたの気持ちを理解しようとしていません」という空気がにじみ出ていて、それが知らず知らずのうちに、相手との信頼関係を壊してしまうように感じました。
2. 態度が与える印象は、意外と強い
言葉だけでなく、態度にも“冷たさ”や“上から目線”は表れます。
たとえば──
- 会話中、ほとんど反応を返さない
- 無表情で、感情が読み取れない
- 攻撃的な言い回しや、どこか偉そうに聞こえる話し方
本人に悪気がなくても、これらの態度は「私はあなたに関心がありません」「尊重していません」という印象を与えかねません。
私自身、「あの人、何を考えているかわからなくて話しにくい…」と感じたことがあります。
3. 実は、過去の自分にも当てはまっていた
こうして書いている私自身も、実は過去にたくさん“やらかして”きた側です。
ASDの特性として、以下のような傾向がありました。
- 空気が読めず、場にそぐわない発言をしてしまう
- 他者の視点をもつのが苦手で、自分の興味のある話を一方的に語ってしまう
- 興味のない話には反応が極端に薄くなってしまう
- 表情の変化が乏しく、相手に“冷たく”見える
- 指摘されると、「でも…」とつい言い訳してしまう
これらの行動は、相手からすれば「自己中心的」「感じが悪い」と映っても不思議ではありません。
悪意はなくても、結果的に人を遠ざけてしまっていたのだと思います。
4. 他者視点は“練習”で身につけられる
じゃあ、どうすればよかったのか?
私が取り組んできたのは、「どうすれば相手が安心できるか」「どんな言動なら嫌な気持ちにさせないか」を、意識して考えることです。
最初は想像がうまくいきませんでした。
でも、少しずつ、言葉を選ぶ前に「この言い方は相手にどう受け取られるかな?」と立ち止まる習慣ができてきました。
他者視点は、訓練すれば育つ力だと、私は実感しています。
完璧じゃなくてもいい。
大事なのは、「理解しようとする姿勢」があるかどうか。
その気持ちがある人は、時間はかかっても、ちゃんと周囲に伝わっていくと思います。
次回は「真似しやすい、好かれる行動集」
【第5回】真似しやすい!人に好かれるふるまいを生活に取り入れる
次回は、「この人、なんかいいな」と思える人たちの言動を観察してきた中で、実際に真似しやすくて取り入れやすい“好かれるふるまい”をご紹介していきます。
やさしさや気づかいは、意識することから始まる。
私自身が実践してきた工夫と一緒に、お届けしたいと思います。
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