ASDの私が学んだ「人に好かれる/嫌われる言動の違い」 【第6回】嫌われないために言動を見直そう

人と関わる技術

正しいことを言ってるだけなのに、どうして嫌われるんだろう?

私はずっと、そんな疑問を抱いてきました。


「やらない工夫」が、人との関係を変えてくれた

ASDの特性があると、自分では気づかないうちに相手を不快にさせてしまうことがあります。

でもそれは、「相手にどう伝わるか」を考える余裕が持てなかっただけかもしれません。

私は、「正しいことを正しく伝えることが誠実」と思い込んでいた時期がありました。

嘘をつくことが苦手で、本心でないことを口にするのは、今でもとても難しいです。

ただ、今では「嘘も方便」という言葉の意味が少しずつわかってきました。

本音で語れる人とだけ、深く関わるようにすることで、無理なく人間関係を築けるようになったと感じています。

そしてもうひとつ。自分の「やってしまいがちな言動」を手放すだけで、人間関係は驚くほど変わっていきました。


① 思ったことを、そのまま言わないようにする

私は、「自分が思っていないことを言う」ことが極端に苦手です。

だからこそ、逆に「思ったことをそのまま言いすぎてしまう」という失敗もよくありました。

たとえば、相手の意見に違和感を持ったとき、

  • 「それって意味あるんですか?」
  • 「私は違うと思います」

などと、冷静に伝えているつもりでも、「否定された」「感じが悪い」と受け取られてしまう。

今は、伝えるべきかどうかを一度立ち止まって考えたり、やわらかい言い回しに置き換えたりする工夫をしています。

それだけでも、相手の反応はずいぶん変わると実感しています。


② マイルールを押し通しすぎない

私は「でも」「だって」といった否定語をあまり使うタイプではないのですが、ASDの特性上、「自分の中のルール」が壊されることに強く反応してしまう傾向はあります。

過去には、ルールを守っていない相手に対してイライラしたり、「なんでその通りにやらないの?」と口にしてしまったこともあります。

でも今では、自分の価値観が絶対ではないことを意識するようになりました。

相手がどうしてそうしたのか、背景や状況を想像してみる。

それだけで、自分の中の“正しさの押しつけ”を少し手放せるようになった気がします。


③ 興味のない話への反応に気をつける

私は、無表情というより「興味のない話への反応があからさま」とよく言われます。

自分では気をつけているつもりでも、

  • 目を合わせない
  • 声のトーンが下がる
  • うなずきがなくなる

といった無意識の態度に出てしまっているようです。

今は、たとえ興味が持てない話であっても、「聞いているよ」というサインだけは伝えるようにしています。

ほんの少しのリアクションや、「なるほど」「そうなんですね」といったひと言があるだけで、相手の安心感は全然違うのだと気づかされました。


完璧じゃなくていい。でも、やめるだけで変わることはある

ASDの私にとって、人間関係は「努力して、ようやくうまくいく」ものです。

でも、努力は“足す”ことだけじゃない。

  • 思ったことをそのまま言わない
  • 自分のルールを押しつけない
  • 無関心に見える反応を控える

この3つを意識するようになってから、少しずつ関係性がやわらかくなっていきました。

無理に相手に合わせようとしなくてもいい。

でも、「嫌われる原因になってしまう言動」を手放すだけでも、十分に変わることはあるんだと、私は実感しています。


次回予告

【第7回】「同じことしてるのに評価が違う?」印象と関係性の不思議

次回は、シリーズ最終回!

同じ行動でも、相手によってまったく違う受け取られ方をすることがあります。

その“人間関係の文脈”に、私はどう向き合ってきたのかをお話しします。


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