自分にあった“生きやすい環境”の見つけ方 第4回:自分に合った環境を選ぶという視点

合う場所探し

「苦手を克服しなきゃ」「もっと頑張らないと」

そう自分に言い聞かせて、毎日を耐えていませんか?

もちろん努力は大切です。

でも、“苦手をなくす”より、“苦手を求められない環境を選ぶ”ことのほうが、ずっと楽に、心穏やかに生きられるかもしれません。

今回は、「自分に合った環境をどうやって見つけるか」について、私自身の体験をもとにお話しします。

苦手を頑張りすぎていた頃

以前の私は、「できないのは自分の努力が足りないから」だと思い込んでいました。

職場に適応できず、失敗が続いても、「もっと頑張らなきゃ」と自分を責めてばかり。

でも実際には、発達障害の特性によって「どうしても苦手」なことがあるんです。

それは意思や努力でどうにかできる問題ではないこともあります。

そんなとき必要なのは、「苦手に合わせようとすること」ではなく、

「苦手を求められない環境を探す」という視点でした。

私が環境を変えたときの話

私は看護師として働いていましたが、仕事に適応できず精神的に限界を迎えて休職しました。

その後、同じ職場内で「看護補助者」という職種に変更するという決断をしました。

看護師としての責任の重さや臨機応変な対応に苦しんでいた私にとって、看護補助者の業務は、毎日だいたい同じ仕事を繰り返し、マニュアルに沿って動ける、とても「わかりやすい」仕事でした。

職場も人間関係も変わらないのに、仕事内容が変わるだけで、ストレスがぐっと減り、毎日が楽しくなりました。

その後、心の余裕が戻ってくると、自然と「もう一度、看護師として働いてみたい」という気持ちが芽生えました。

でも、「以前と同じような大病院ではまた適応できないかもしれない」という不安もありました。

そこで私は、上司に相談し、自分に合った環境で看護師として働けるように、系列の療養型病院へ異動希望を出し、職場を変えるという選択を取りました。

環境を変える方法はいろいろある

「環境を変える」といっても、なにも転職だけが方法ではありません。

  • 同じ職場で職種を変える(私のように、看護師→看護補助者)
  • 同じ職種でも働くジャンルや部門を変える(急性期→療養型など)
  • 部署異動を希望する
  • 系列の職場に移る
  • やっぱり合わないなら、転職する

環境を変える手段はひとつではないんです。

柔軟に考え、試せるものから動いてみることが大切だと私は感じています。

得意が活かせる・苦手が求められない環境とは

改めて考えてみると、自分に合った環境には次のような条件がありました。

✅ 得意が活かせる

  • 一人で集中できる時間がある
  • ルーティンワークが中心
  • 明確な手順やマニュアルがある

🚫 苦手が求められない(またはカバーしてもらえる)

  • 臨機応変な判断が少ない
  • マルチタスクが発生しにくい
  • 曖昧な指示や抽象的な雑談が少ない

「どちらかが満たされていれば良い」のではなく、“両方が満たされている環境”がもっとも生きやすいと私は思っています。

おわりに:環境を選ぶことは、自分を大切にすること

環境に合わせて頑張ることが正しいと思っていたあの頃、私はすり減っていました。

でも今は、「私はここなら力を出せる」と思える場所で、安心して働けています。

「環境を変える」というと大げさに感じるかもしれませんが、ほんの少し変えるだけでも、驚くほど気持ちが軽くなることがあります。

あなたにとっての「合う環境」は、必ずどこかにあります。

まずは、視点を変えることから始めてみませんか?

次回予告

第5回:どうしても合わないときの選択肢

理想の環境が見つからないとき、無理しすぎてしまう前にできることがあります。

次回は、公的支援や小さな変化で自分を守る選択肢を考えていきましょう。


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