「環境を変えれば、生きやすくなる」——それは確かにその通りです。
けれど、現実には「変えたいけれど、すぐには変えられない」状況もありますよね。
- 人手不足で異動希望が通らない
- 家庭の都合で転職が難しい
- 「ここで辞めたら甘えだ」と思ってしまう…
そんなふうに悩みながら働いている人に向けて、今回は「どうしても合わないとき、自分を守るためにできること」をテーマにお話しします。
無理しすぎて限界を超える前に
「周りに迷惑をかけたくない」
「自分だけが辛いなんて、気のせいかも」
そうやって我慢を続けていると、心も体も少しずつすり減っていきます。
私自身も、看護師として働いていた時期、「努力が足りないからだ」と自分を責め続けていました。
けれど、限界を迎えたときには、何も考えられない状態になっていました。
本当に大切なのは、無理している自分に気づくこと。
そして、自分の特性と環境がどうしても合わないなら、「環境を変える」という選択肢を視野に入れることです。
工夫だけでは乗り越えられない壁もある
よく「ちょっとした工夫で乗り切れる」と言われます。
たしかに、些細な工夫で働きやすくなるケースもあるかもしれません。
でも私の場合は違いました。
メモをとる、優先順位を明確にする、得意な業務をお願いしてみる…
そういった工夫も試しました。けれど、そもそも求められている仕事の内容そのものが、私の特性と合っていなかったのです。
- マルチタスク
- 臨機応変な判断
- 対人調整
- 曖昧な状況への対応
私にとっては、どれも非常に負荷が高く、工夫したところでどうにかなるものではありませんでした。
職種を変えるという選択
そこで私は、抜本的に働き方を見直すことにしました。
具体的には、看護師という職種を一度手放し、看護補助者に職種を変更したのです。
同じ病院で働いているのに、仕事内容が大きく異なることで、私はようやく「この仕事ならできる」と思えるようになりました。
- 変化の少ない毎日
- 明確な指示とマニュアル
- 対人関係のストレスが少ない業務内容
職場自体は同じでも、「役割」を変えることでこんなにも違うのかと驚きました。
この経験から、私は「環境を変える」とは必ずしも転職することではなく、
“自分に合うやり方に近づくように調整する”ことも含まれるのだと実感しました。
「動けない」と感じているときの支援や制度
すぐに環境を変えられないときには、制度や支援を知っておくことも大切です。
▷ 傷病手当金と休職制度
精神的な不調で働けなくなった場合、健康保険の「傷病手当金」を利用できることがあります。
会社に籍を残したまま、しばらく休養するための仕組みです。
▷ 精神科・心療内科の受診
「つらい」「眠れない」「朝起きられない」など、身体にも影響が出てきたら、医療機関の受診を検討してみてください。
診断を受けることで、会社側にも事情を説明しやすくなります。
▷ 発達障害に関する相談先
- 地域の保健所(精神保健福祉相談)
- 発達障害者支援センター
- ハローワーク(発達障害専門窓口のある地域も)
- 就労移行支援(障害者手帳がなくても相談可)
自分を客観的に見てもらえる場があるだけでも、気持ちが少し落ち着くことがあります。
「逃げ」ではなく、「自分を守る選択」
環境を変えることに、罪悪感や怖さを感じる人もいるかもしれません。
でも私は声を大にして言いたい。
「変えること」は、逃げではなく、自分を守る選択肢の一つです。
むしろ、動けるうちに動くことのほうがずっと勇気のある行動です。
追い詰められてからではなく、余力があるうちに、自分の未来を守る一手を打ちませんか?
おわりに
どんなに頑張っても合わない環境はあります。
そんなとき、「自分が悪い」と責めるのではなく、「合っていないからつらいんだ」と考えてみてください。
あなたが安心して働ける場所は、きっとあります。
そのための準備として、選択肢を知ることから始めてみましょう。
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