「人とうまく話せない」「なぜか空気が読めない」——
そんなふうに悩んだことはありませんか?
私もずっと、自分のコミュニケーションの“ズレ”にモヤモヤしてきました。
でも、発達障害の特性を知ってから、「そうだったのか」と少しだけ納得できたんです。
今回は、「なぜ人との関わりが苦手なのか?」を、アスペルガー症候群の視点からやさしく解説します。
1. 他人の考えや気持ちを推測するのが苦手
まず私が一番苦労してきたのが、「人の気持ちを想像する」ことです。
これはいわゆる〈空気を読む〉という力にもつながっていて、私はこれが本当に苦手でした。
例えば以前、こんな会話がありました。

はぁ……しんどい

あ、そうなんだ。……でさ、昨日ね──
まったく悪気なく、相手の気持ちを無視した返答をしてしまっていたんです。
あとから「ちょっと冷たくない?」と言われて、初めて気づきました。
私は、相手の言葉をそのまま受け取るタイプです。
「はぁ……しんどい」は、ただの独り言だと思ってしまう。
その裏に「話を聞いてほしい」という気持ちがあるなんて、当時は想像すらできませんでした。
2. 表情や空気の変化が読み取りにくい
次に困ったのは、「表情や雰囲気から気持ちを察する」という部分です。
相手の顔を見ても「怒ってる」「困ってる」がわかりにくくて、地雷を踏むことが多々ありました。
看護師として働くようになってからも、「空気の読めなさ」でよく注意されました。
例えば、先輩が明らかにピリピリしているとき。
普通なら「今は話しかけないでおこう」と判断できるんでしょうが、私はそれが分かりません。
「ねえ先輩、あの書類のことなんですけど〜」と話しかけて、
「今、忙しいの見てわかるでしょ!」と怒られ、ようやく状況に気づく……そんなことも多かったです。
3. 他人に興味を持ちにくい
さらに、そもそも私は「人に興味がわきにくい」特性があります。
これは性格というより、脳の使い方の問題なんだと思っています。
誰かの趣味・近況・好きなものに心から関心をもつのが難しく、「聞かれたら答えるけど、自分から聞き返さない」なんてことがよくあります。
その結果、会話が一方通行になってしまいがちなんです。
人間関係って、「お互いに興味を持ち合う」ことがベースにありますよね。
でも私は、そこが自然にはできない。
だからこそ、今では「相手に興味をもつ練習」として、あえて質問を用意したり、相手の発言をメモしたりと、工夫でカバーしています。
まとめ:「できない」は努力不足じゃない
ここまでお話ししたように、アスペルガー症候群には「人と関わるのが難しい理由」がたくさんあります。
でも、それは私たちが怠けているわけでも、努力が足りないわけでもありません。
もともとの特性として、“できない”部分があるだけ。
そこに自覚をもつことで、落ち込まずに対策を考えられるようになります。
次回予告
次回は、「できない前提」で私が実践している工夫――
「とりあえず傾聴」について、具体的にご紹介していきますね。
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