“できない”前提で身につける、人と関わる技術 第6回:私が身につけてきた“人と関わる技術”たち

コミュ力UP

私は昔から、「人と関わること」がとても苦手でした。
相手の気持ちがわからなかったり、つい言いすぎてしまったり…。
「なんでそんな言い方するの?」と怒られることも多く、「どうやって関わればいいの?」と悩み続けてきました。

第6回では、実際に私が身につけてきた技術と、それをどう使ってきたかをお話しします。

工夫①:「とりあえず最後まで傾聴してみる」

私は看護学生の頃、傾聴の基本を学びました。
それは、「たとえ自分と考えが違っても、とりあえず最後まで話を聞いてみる」という姿勢です。

昔の私は、「え、それ違くない?」と、相手の話を途中で遮ってしまうことがよくありました。
でも、それをしてしまうと、相手は「聞いてもらえなかった」と感じて心を閉ざしてしまうんです。

あるとき、「違うな」と思っても、最後まで話を聞いてみたら、「あ、そういう背景があったのか」と理解できたことがありました。

そして、仮に意見が合わなかったとしても、ちゃんと聞いた後なら「私の意見も聞いてくれる?」と建設的な対話につなげられることに気づきました。

【具体例】

同僚
同僚

最近の新人、全然使えないって思わない?私、正直もう関わりたくないんだよね。

雅

(内心)そういう言い方はちょっと…と思うけど、とりあえず聞いてみよう

雅

うん、なんかあったの?

同僚
同僚

この前も指示したのに全然動かなくて、結局こっちが全部やるはめになったの。

雅

そうだったんだね。たしかにそれは大変だったね。

雅

話してくれてありがとう。私はちょっと違う考えを持ってて、新人さんって最初は慣れるのに時間がかかることもあるかなって思ってるんだ。どう思う?

工夫②:「わからなくても寄り添う」共感のしかた

「それ、わかるよ」と言っても、「わかってないくせに」と返されてしまう…。
共感って難しいな、と何度も思いました。

でもあるとき、「私は同じ経験はないけれど、それがあなたにとって大事なことなんだね」と伝えたら、
相手がすっと落ち着いて「そうなの」と言ってくれたんです。

この経験から、「理解できる・できない」にこだわらず、「相手の感情に寄り添うこと」を意識するようになりました。

【具体例】

同僚
同僚

昨日、リーダーにミスを指摘されたんだけど、言い方がきつすぎて本当に落ち込んだ…

雅

(内心)私なら気にしないかも…でも、落ち込んでるのは事実だよね

雅

そっか…。きつい言い方されると、すごく傷つくよね。

同僚
同僚

うん…。ちょっと泣きそうだった。

雅

泣きそうになるくらい辛かったんだね。話してくれてありがとう。

工夫③:「Iメッセージ」で気持ちを伝える練習

私はもともと、「反対意見を言う=相手を否定すること」だと思って、なかなか自分の考えを言えませんでした。

でも我慢してばかりいると、あとからモヤモヤがたまってしまうんですよね。

そんなときに出会ったのが、「Iメッセージ」という伝え方でした。

「あなたが悪い」ではなく、「私はこう感じた」と、自分を主語にして伝える方法です。

【具体例】

同僚
同僚

今度の休み、急だけどシフト替わってくれない?

雅

(内心)また急だな…正直しんどい。気まずいけど、ちゃんと断ろう…

雅

ごめん。私は最近ちょっと疲れがたまってて、その日ゆっくり休みたいんだ。

同僚
同僚

そっか、そうなんだね。無理にお願いしてごめん。

今もまだ練習中です

ここまでいろいろ書いてきましたが、私は今でも失敗することがあります。

つい遮ってしまったり、感情的になってしまったり。

「またやっちゃったなあ…」と落ち込む日も、正直あります。

でも、「やり方を知っている」だけで、少しだけ安心できるようになりました。

大事なのは、「できるかどうか」じゃなくて、「関わろうとする気持ちを持ち続けること」。

私は“できない前提”のまま、今も少しずつ練習を続けています。

おわりに:できないなりに、人と関わっていくために

「共感できない自分はダメだ」とか、「言いすぎる自分は治らない」と、ずっと悩んできました。

でも、できない自分を責めるより、「どうすればやりとりできるか」を考えるようになってから、人と関わることが少しずつラクになってきた気がします。

大切なのは、特別な才能でも完璧な人間関係でもなくて、「どう関わっていくかの工夫」を持っていることなんじゃないかと思うのです。

次回予告

次回は最終回。

「苦手でも、やり方次第でどうにかなる」をテーマに、シリーズのまとめと、「人とうまくやっていける気がしない…」と感じていた私が、今どんなふうに人と関わっているのかを振り返ります。

苦手でも、大丈夫。そう思ってもらえるような、応援メッセージを込めてお届けします。


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