気分の波に左右されやすい私にとって、最も効果的だったのは、「そもそも無理をしない」ことを前提に日常を設計することでした。
今回は、軽度双極性障害をもつ私がふだんから実践している「無理を予防する生活習慣」をご紹介します。
「崩れたときに立て直す」よりも、「崩れないように組んでおく」
私は、気分が沈んだときの対処法もいろいろ持っています。
ですが、そもそも「崩れにくいスケジュール」「無理のない人間関係」をあらかじめ選んでおくことで、メンタルの安定度が大きく変わってきました。
「頑張らないと成立しない予定は、最初から組まない」
「自分のエネルギーを想定して、過ごし方をパターン化しておく」
こうしておくことで、波が来たときも大崩れしにくくなったんです。
私が実際にやっている“無理を減らすための習慣”
① 予定は“入れない勇気”と“ゆるい関わり方”
- 外出や人と会う予定は、「本当に行きたい」と心から思えるものだけに絞る
- 行けそうにない・気が乗らなくなる可能性が高い予定は、最初から断る
- 関係性ができている人には、「当日行けそうだったら参加したい」とあらかじめ伝える
- 明確な約束にせず、体調や気分によってキャンセルできる余地を残しておく
この“曖昧さ”を最初に設けておくことで、後から自分を責めなくて済みます。
外出予定は月に数回程度で、基本的には休みの日は家で過ごすのがデフォルトです。
② 心理的負荷のあとには「休息日」をセット
たとえば、新しい環境に入る・新しいことを始める——
そういった日は、たとえ成功してもかなりのエネルギーを使うのが分かっています。
だから私は、「次の日は何も予定を入れない」とあらかじめ決めておくようにしています。
これは「反動が来る前提」で動いているという意味で、自分への思いやりでもあります。
③ テンションが高いときは、自然と“ブレーキ”をかける
気分が上がっているときこそ注意が必要。
私も過去に、「調子が良いときに詰め込んでしまって、あとで崩れる」経験を何度もしてきました。
でも今は、「あ、今ハイになってるな」と自然に自覚できるようになったので、無意識にブレーキを踏めるようになってきました。
- 大きな決断はしない
- 先の予定は極力入れない
- 夜ふかしせず、さっさと寝る
こうした行動は、いまでは息を吸うように自然な習慣として根づいています。
④ 落ちているときは「頑張らないための型」を持っておく
「何もできない…」と落ち込まないように、気分が下がった日でもできるルーティンをあらかじめ決めてあります。
- カーテンを開ける
- コーヒーを飲む
- なにか軽く食べる
- YouTubeを聴きながら、机に座ってみる
- 出勤の日は「最低限だけ働く」でOK
- 休日は「二度寝してもよし、結果的に1日中寝てもよし」とする
これは決め事を増やしているというより、“力を使わないで済む型”を用意している感覚。
迷わなくていい・頑張らなくていいための安心材料です。
「無理しない生活設計」は、甘えじゃなくて工夫
予定を減らす、人付き合いを絞る、生活をパターン化する——
こうしたことって、一見「弱さを前提にしている」ように見えるかもしれません。
でも私にとっては、長く安定して過ごすための“前向きな選択”です。
調子を崩さずに働き続けるために、暮らしやすい仕組みを整える。
それができるようになってから、私の気分の波はだいぶ穏やかになりました。
次回予告
【第6回】気分の波があっても、生きやすくなる考え方
気分の波はゼロにはできないけれど、「波があっても生きやすい」と思えるようになることは、きっとできる。
最終回では、私がこのシリーズで伝えたかったことをあらためてまとめます。
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