気分の浮き沈みに振り回されないためのメンタル対処法 第5回:未来の自分を助ける、「無理を予防する仕組み」のつくり方

心と向き合う

気分の波に左右されやすい私にとって、最も効果的だったのは、「そもそも無理をしない」ことを前提に日常を設計することでした。

今回は、軽度双極性障害をもつ私がふだんから実践している「無理を予防する生活習慣」をご紹介します。


「崩れたときに立て直す」よりも、「崩れないように組んでおく」

私は、気分が沈んだときの対処法もいろいろ持っています。

ですが、そもそも「崩れにくいスケジュール」「無理のない人間関係」をあらかじめ選んでおくことで、メンタルの安定度が大きく変わってきました。

「頑張らないと成立しない予定は、最初から組まない」
「自分のエネルギーを想定して、過ごし方をパターン化しておく」

こうしておくことで、波が来たときも大崩れしにくくなったんです。


私が実際にやっている“無理を減らすための習慣”


① 予定は“入れない勇気”と“ゆるい関わり方”

  • 外出や人と会う予定は、「本当に行きたい」と心から思えるものだけに絞る
  • 行けそうにない・気が乗らなくなる可能性が高い予定は、最初から断る
  • 関係性ができている人には、「当日行けそうだったら参加したい」とあらかじめ伝える
  • 明確な約束にせず、体調や気分によってキャンセルできる余地を残しておく

この“曖昧さ”を最初に設けておくことで、後から自分を責めなくて済みます。

外出予定は月に数回程度で、基本的には休みの日は家で過ごすのがデフォルトです。


② 心理的負荷のあとには「休息日」をセット

たとえば、新しい環境に入る・新しいことを始める——

そういった日は、たとえ成功してもかなりのエネルギーを使うのが分かっています。

だから私は、「次の日は何も予定を入れない」とあらかじめ決めておくようにしています。

これは「反動が来る前提」で動いているという意味で、自分への思いやりでもあります。


③ テンションが高いときは、自然と“ブレーキ”をかける

気分が上がっているときこそ注意が必要。

私も過去に、「調子が良いときに詰め込んでしまって、あとで崩れる」経験を何度もしてきました。

でも今は、「あ、今ハイになってるな」と自然に自覚できるようになったので、無意識にブレーキを踏めるようになってきました。

  • 大きな決断はしない
  • 先の予定は極力入れない
  • 夜ふかしせず、さっさと寝る

こうした行動は、いまでは息を吸うように自然な習慣として根づいています。


④ 落ちているときは「頑張らないための型」を持っておく

「何もできない…」と落ち込まないように、気分が下がった日でもできるルーティンをあらかじめ決めてあります

  1. カーテンを開ける
  2. コーヒーを飲む
  3. なにか軽く食べる
  4. YouTubeを聴きながら、机に座ってみる
  5. 出勤の日は「最低限だけ働く」でOK
  6. 休日は「二度寝してもよし、結果的に1日中寝てもよし」とする

これは決め事を増やしているというより、“力を使わないで済む型”を用意している感覚。

迷わなくていい・頑張らなくていいための安心材料です。


「無理しない生活設計」は、甘えじゃなくて工夫

予定を減らす、人付き合いを絞る、生活をパターン化する——

こうしたことって、一見「弱さを前提にしている」ように見えるかもしれません。

でも私にとっては、長く安定して過ごすための“前向きな選択”です。

調子を崩さずに働き続けるために、暮らしやすい仕組みを整える。

それができるようになってから、私の気分の波はだいぶ穏やかになりました。


次回予告

【第6回】気分の波があっても、生きやすくなる考え方

気分の波はゼロにはできないけれど、「波があっても生きやすい」と思えるようになることは、きっとできる。

最終回では、私がこのシリーズで伝えたかったことをあらためてまとめます。


📩 コメント・質問歓迎

記事の内容に関するご感想や、「こんなことが知りたい」というリクエストがあれば、ぜひお気軽にコメントしてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました