気分の浮き沈みに振り回されないためのメンタル対処法 第6回:気分の波があっても、生きやすくなる考え方

心と向き合う

気分に波があることは、なくすものじゃなく「付き合っていくもの」。

軽度双極性障害とともに10年以上を過ごしてきた私は、そう思うようになりました。

最終回では、これまで紹介してきた工夫をふり返りながら、「波があっても大丈夫」と思えるようになった考え方をお伝えします。


「波があること」は、悪いことじゃない

昔の私は、「波なんてないほうがいい」「ずっと安定していたい」と思っていました。

でも現実はそううまくはいきません。調子のいい日もあれば、急に落ち込む日もある。

ただ、「波はゼロにできない。でも、波の扱い方は工夫できる」という視点を持つようになってから、気持ちがずいぶんラクになりました。


私が大切にしている“考え方”5選

このシリーズを通してお伝えした、私が日常的に大切にしている「考え方」をまとめてみます。


記録すると、理由が見えてくる

なんとなくしんどい。なんとなくイライラする。

そんな“なんとなく”が続くと、理由が分からず不安になるものです。

でも私は、気分を毎日ざっくり記録することで、

「あ、これは週末疲れの反動か」
「寝不足が続いてたから落ちてるんだ」

というように、パターンと前触れに気づけるようになりました。

それだけで、「また来たな」って構えていられる。記録は、波と向き合うための大事なツールです。


気分が上がってるときこそ、ブレーキを意識する

「今すごく調子がいい!」というときこそ、私は無理をしないようにしています。

なぜなら、そのあと落ちるのがわかっているから。

  • 先の予定を詰めない
  • 勢いで物事を決めない
  • さっさと寝る

こうした“自然なブレーキ”が習慣になった今は、上がっても落差が少なく、反動も少なくなりました。

落ちた日は、“最低限ルール”で過ごせばいい

「何もできない日」に罪悪感を抱いていた私が変われたのは、

「これだけできればOK」という“最低限のやること”を決めたから。

コーヒーを飲む、顔を洗う、何かを口にする。それだけでも十分。

「自分なりの合格ライン」を持つことで、波が来ても自己否定せずにいられるようになりました。


感情と事実を分けて考える

怒りや不安に飲み込まれそうなときは、話す前に一度黙って、感情と事実を分けて考えてみます。

「なにに対して怒っているのか?」
「本当はなにを期待していたのか?」

と整理するようにしています。

感情と事実を分離できると、その場で爆発しないで済むし、自分を冷静に扱えるようになります。


そもそも無理をしない構造にしておく

私は予定を詰めません。

外出の約束も、人と会う予定も、心から「行きたい!」と思えるものだけにしています。

  • 外出は月に数回まで
  • 関係性ができている人には「当日判断でもいい?」と交渉
  • 休みの日は基本、家で過ごす

「予定を削る」「人との距離感を整える」ことは、甘えではなく、暮らしを安定させる戦略です。


波は、共に生きていくもの

このシリーズを通してお伝えしたかったのは、

「波があること自体をなくすのではなく、“波があっても大丈夫な状態”をつくること」でした。

私のメンタルが安定してきたのは、病気が治ったからではありません。

波の扱い方に“慣れ”と“仕組み”ができたからです。


最後に

もしあなたも、気分の浮き沈みに悩んでいるなら、まずは「波があってもいい」と、自分に言ってあげてください。

そして、あなたに合ったペースで、波との付き合い方を探していってください。

私の体験や工夫が、そのヒントになればうれしいです。


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