ASDの私が学んだ「人に好かれる/嫌われる言動の違い」 【第7回】同じことしてるのに評価が違う?印象と関係性の不思議

人と関わる技術

【シリーズ】ASDの私が学んだ「人に好かれる/嫌われる言動の違い」(全7回)

発達障害の特性から、人間関係に悩むことが多かった私。けれど、「されて嬉しかった/嫌だった」ふるまいを観察・分析する中で、少しずつ“人との関わり方”が見えてきました。このシリーズでは、そんな実体験から学んだことを7回にわたってお届けします。

「同じことを言っているのに、あの人は好かれて、私は嫌われる」

そんな場面に、心当たりはありませんか?

私はずっと、「言い方や表情に気をつければ、伝わり方は変わるはず」と思っていました。

でも実際は、それだけでは足りなかったんです。


人は、“言われた内容”ではなく、“誰に言われたか”で反応する

私が人との関わりの中で学んだのは、
「信頼関係があるかどうか」で、同じ言葉でも受け取り方がまるで変わるということです。

やわらかく伝えても、関係性ができていない相手には「自己中心的」「口出しされた」と感じさせてしまうことがあります。

逆に、信頼関係ができていれば、少し強めの言い方でも「あの人が言うなら、たぶん私のためを思ってくれてるんだな」と受け止めてもらえることもあります。

つまり、伝え方よりも前に、「誰が言うか」が評価を大きく左右する。

そしてその「誰か」になるために必要なのが、日頃の信頼関係の積み重ねです。


信頼があれば、ちょっとのミスも許される

思い返してみてください。

  • きつい言い方をされても「まぁ、あの人だから仕方ないか」と思えたこと
  • 素直に受け止められたアドバイスには、普段から信頼できる人の姿があったこと

人は、相手との関係の中で、発言の“意味”を判断しているんです。

だからこそ、

  • 表情
  • トーン
  • 言葉の選び方

に気をつけることも大切ですが、それはあくまで「信頼関係がないときの補助技術」。

信頼を築けていれば、それらに頼らなくても伝わる場面が増えていきます。

信頼関係づくりは、伝え方の“上位互換”なのです。


言っている内容より、「誰が言うか」で変わる

SNSや職場などで、「同じこと言ってるのに、あの人はなぜか許されてる」という場面を見かけたこと、ありませんか?

私はそういう場面を何度も見てきて、ようやく気づきました。

信頼関係があると、多少キツいことでも受け入れられるんだと。

逆に、信頼がないまま本音を伝えようとすると、「自己中心的」「上から目線」と受け取られることもある。

内容や表現だけにこだわるよりも、その人が“普段どう接しているか”が、発言の印象を左右していると強く感じます。

それ以降私は、伝える内容そのものよりも、まずは関係性を育てておくことを優先するようになりました。


信頼関係は、戦略的に築いていける

もちろん、信頼関係は一朝一夕ではつくれません。

でも、ASDの私たちにできることもたくさんあります。

  • 小さな感謝を伝える
  • 話を最後まで聞く
  • 名前をきちんと呼ぶ
  • 相手の話した内容を覚えておく

そんな細やかな積み重ねが、「この人は私を大切にしてくれている」という安心感を育てます。

そして、信頼関係があれば、“ちょっと伝えにくいこと”も届きやすくなる

だから私は、発言する前に、まず「関係性を育てる努力」を忘れないようにしています。

コミュ力の高い人は、感覚でやってる。私たちは戦略でいこう

世の中には、こうしたことを感覚でやってのけるすごい人たちがいます。

でも、ASDの私はそうはいきません。

だったら、戦略的に、再現可能な工夫を積み重ねていくだけ。

無理にうまくやろうとしなくても、「この人にだけは心を開きたい」と思える相手との信頼を少しずつ育てていけば、きっと“伝わる”瞬間は増えていきます。


おわりに

人との関係は、正しさや言い方だけでは築けません。

でも、ちょっとした工夫や意識の積み重ねで、関係性は確実に変わっていきます。

完璧じゃなくていい。

でも、「関係を育てていこう」という姿勢があるだけで、伝わり方は変わる。

今日から、できることを少しずつ取り入れてみませんか?

私もまだ途中です。でも、あきらめずに続けていきたいと思っています。

【シリーズ】ASDの私が学んだ「人に好かれる/嫌われる言動の違い」(全7回)

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